ビルケンシュトック ボストンってどんなサンダル?
ドイツのサンダルメーカー・ビルケンシュトック の定番ラインの一つがボストンだ。つま先まで覆われた靴のような形が特徴で、つま先が見えるものよりも大人っぽい印象にできる。サンダル然としてないので春から秋まで使うことができる人気モデルだ。
ビルケンシュトックといえば二本ストラップの「アリゾナ」が最も有名だろう。
ビルケンシュトック はもともとインソールメーカーだったこともあり、履き心地は抜群・・・のはずなのだが、詳しくは後述する。
ビルケンシュトックはソールの交換にも対応しており、メンテナンスさえし続ければ長く着用し続けることができるのも大きな特徴だ。サンダルとしては高めの価格設定ではあるが、10年以上履き続けることによりイニシャルコストを0円に収束させることもできる。
理系男子によるコスパ算出
大手メーカー勤務の筆者が、その経験をもとに製品の本当のコストパフォーマンスを評価するコーナー
価格の手頃感 | |
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生活への影響度 | |
長く使えるか | |
スペックに現れない価値 | |
所有する高揚感 |
総合コスパ:
サンダルとしては極めて高価だけれど、長く履けるので0円に収束していく
>同じコスパ評価の製品一覧
「価格の手頃感」、「生活への影響度」が高ければ高いほどコスパも高くなり、逆に「スペックに現れない価値」が高くなるとコスパは低くなります。なお「所有する高揚感」はコスパ算出の対象外。
なぜ今ビルケンシュトック ボストンを買ったか
一言で言えば流行中のスポーツサンダルへの逆張りだ。数年前からTevaをはじめとしたスポーツサンダルが大流行しており、もはや定番となっている。そんな折に、ちょうどサンダルが欲しいと思っていたのだが「今さらスポーツサンダルもなあ・・・」と思ってビルケンシュトックに足を運んだ。
加えて僕が革好きだと言うこともある。どうせ買うなら革製品で長く使えるものを。20代中盤くらいからそんな思想が徐々に強くなっている。だから遅かれ早かれ僕はいつかはビルケンシュトック ボストンを買っていたのだろう。
ビルケンシュトック ロンドンと迷った
実は初めからボストンというモデルに決めていたわけではない。むしろビルケンシュトックの店舗に行くまではロンドンというモデルを購入しようと思っていた。
ロンドンは前から見ればボストンとほとんど同じなのだが、踵までしっかりつつんでくれる。ボストンがスリッパのような形状なのに対して、ロンドンは見方によってはほぼ革靴だ。より大人っぽい印象を感じた僕は、ロンドンを買うつもりだった。
しかし実際の店舗でロンドンを試着してみたところ、脱ぎ履きが面倒だった。革なのでスニーカーのような伸縮性はもちろんない。考えてみれば当たり前だ。それに(たぶん脱ぎ履きしやすくするためなんだけれど)踵の部分がつまめるような意匠になっている。そこがパンツの裾と干渉して、パンツが思うようなシルエットにならなかったのだ。
要はボストンのほうが気軽にかつ汎用性高く使えると感じたので、ボストンを購入することにした。
革の種類も豊富
ビルケンシュトックでは同じ形のサンダルでも、いくつかのアッパー素材で展開している。例えば
- EVA(樹脂)
- スウェードレザー
- 天然皮革(スムースレザー)
- オイルドレザー
上から順に履きやすい(?)個人的にベストバランスなのはスウェードではないかと思う。初めから柔らかく履き心地も良好だし、メンテナンスも楽ちんだ。多くのファッショニスタもスウェードのボストンを愛用している。
でも僕が選んだのは、もちろんオイルドレザー。理由は革を育てるのが好きだから。最も経年変化を楽しめるのがオイルドレザーなのだ。この記事では新品の状態のボストンの写真を紹介したい。
ビルケンシュトック ボストン・オイルドレザーの外観レビュー
買った理由とか悩んだ話とか、文章ばかりだったので、ここからは写真をご覧いただきたい。
開封!正面から見るとこんな感じ。結構色むらがあることに驚くかもしれないが、オイルドレザーはこんな感じ。他の素材は均一なので安心してほしい。
アッパーの感じがわかりやすいように上からも撮影してみた 輸送中だと思うんだけれど、擦れたような跡もある ベルとは2番めがジャストフィットだった。バックルのいぶし銀もかっこいい。 内側にはビルケンシュトックのロゴが入る
ソールがつま先まで真っすぐ伸びている。これは新品状態の特徴で、履き込み事で徐々につま先が反り返ってくる。こうやって自分の足にぴったりなビルケンシュトックが出来上がるわけ。
僕が購入したサイズは39(25cm相当)
僕はスニーカーは靴紐で縛れるので26cmとか26.5cmとかを選ぶし、革靴はギッチギチで履き始めたいので24cmとか24.5cmを選ぶ。
サンダルはリラックスしつつもそこそこの距離は歩きたいし、靴紐で縛ることもできないのでジャストサイズを選んだ。
上のコルクの部分が「インソール」、下の樹脂?部分が「アウトソール」
アウトソールだけの交換もできるし、インソールが壊れてしまった場合はインソールごと交換することも可能だ。
自分の足に合わせて沈み込んだインソールは極力交換したくないので、アウトソールがすり減ってきたら早めに交換したい。
ちなみにオイルドレザーの質感にはかなり個体差があった。オイルの入り具合や出てきた感じによって同じモデルでも色味や雰囲気がかなり異なっていた。
初期状態に個体差があったとしても、同じように手入れしてエイジングしていけば同じ状態に収束していく。だから初期状態をあまり気にしなくていいと個人的には思う。
スリッパはなるべく深めに(つまりつま先が奥に届くように)履くと思う。しかしビルケンシュトックのサンダルは「かかとを合わせて履く」ということを店員さんに教えてもらった。つまり必ずしもつま先がサンダルの先まで届く必要はないのだ。
ビルケンシュトック ボストンのメンテナンス方法
購入した際にメンテナンス方法も聞いておいたので共有しておく。基本的には普通の革靴と同じだ。
- 着用後にはブラッシング
- 定期的にクリーム塗布
ボストンはアッパーが大きいためメンテナンスし甲斐がある。極力ベルトは外してメンテナンスしたほうが良いだろう。なおクリームは無色のものをおすすめ、とのことだった。
・・・とここまで書いてから、念の為公式サイトをチェックしてみたところFAQにお手入れ方法が掲載されていた。オイルドレザーのお手入れ方法を引用しておく。
オイルドレザー
ゴム製ヌバックレザー用ブラシで繊維を整えることができます。
オイルドレザーのお手入れには、お手入れ製品のメーカーの指示に従ってレザー用ワックスとレザー用グリースを交互に使ってください。
水や油のシミや傷は、手の親指の付け根の膨らんだ部分でレザーをこすって取り除くことができます。
布(糸くずの出ないもの)はホコリを取り除く場合のみお使いください。
https://www.birkenstock.com/jp/faq/customer-service-faq.html?gclid=CjwKCAjwwab7BRBAEiwAapqpTCRCiT_tR1KA60GA8FYed2KlwQY0HpKmS4OArd4GjFpxan7vDFNtmhoC_zoQAvD_BwE
ところどころ差異はあるが、オイルドレザーの手入れにあまり神経質になる必要はない。手持ちのアイテムで、できる範囲でこまめに継続することが大切だ。
兎にも角にも、ブラッシングだけは欠かさず行いたい
履き始めて1ヶ月、やっと馴染んできた
ビルケンシュトック ボストン、オイルドレザーのモデルは履き始めが辛かった。ソールが硬く、アッパーの革も硬い。靴下を履かないと靴擦れしてしまうほどだった。
僕はALDENのローファーなどで飼い慣らされているので、むしろ靴を自分の足に馴染ませていく過程に快感すら覚えるくらい。だから全く問題ないのだけれど、そうでない人は覚悟して買って欲しい。
そこから約1ヶ月、通勤にもほぼ毎日履いて(社内では履き替えるので1日あたり30分くらいの着用時間)、やっとソールの返りを感じるようになった。素足でも靴擦れしなくなり、やっと自分専用になった心地だ。
3kmほど通して歩いてみたが、歩きにくさを感じることもなく驚いた。かかとは固定されていないにもかかわらず、かかとが浮くことがないのだ。
履き方のコツとしてはつま先を奥まで入れないこと。あくまでかかとを合わせて履くということだ。奥まで足が届いていないと脱げてしまいそうな気もするが、立体的なソールのおかげでその心配は無用だ。無理に深く履こうとせず、かかとで履くことがビルケンシュトックを履きこなすコツだ。
今日のぐうの音
1ヶ月ほど履いて、やっと自分のモノになってきた僕のビルケンシュトック ボストン。
- 定番アイテムのはずなのに、人と被りにくい
- 定番アイテムだから、飽きずに長く履ける
ラクなのに大人っぽいところが何より気に入っている。近所のコンビニに履いてもいいし、ちょっと街までお出かけにも応えてくれる。春先から秋の終わりまで使えるってもはや最強なのでは?
という感じで最近お気に入りのビルケンシュトック ボストン。手入れをしつつフル活用していきたい。きっとソールを交換しながら初老になるまで履き続けるんだろうなあ。
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