CARVA-Rugatoってどんな財布?
財布というと長財布や二つ折りをイメージするが、CARVA-Rugatoはそれらとは全く異なる。マネークリップという形の財布だ。マネークリップとは名前の通り、紙幣を挟んでおくための道具。したがって一般的な財布よりも薄型になるのが大きな特徴となる。
加えてCARVA-Rugatoに使用されている革にも大きな特徴がある。栃木レザー「ロングラン」とベルギーのMASURE社「ルガトー」の2つが使用された極めて豪華な仕様なのだ。
今回はCARVA-Rugatoをレビュー用にお借りすることができた。普段ブライドルレザーの鞄やコードバンの革靴を愛用する革愛好家の僕の目線で実際に手にとって感じたこと、いい点も悪い点も包み隠さず紹介しようと思う。
なおCARVA-Rugatoは革製品のセレクトショップ「革ee.com」でのみ購入できる。>トラ柄が魅力なルガトー すべて縫い上げた革職人のマネークリップ財布
外観レビュー:トラ目のルガトーが美しい
まずは簡単に外観を写真とともに紹介する。ルガトー特有の「トラ目」という模様が特徴的だ。
今回手元にあるのは「ブルー」だが、グリーンとパープルの3色展開だ。
それぞれどのようにエイジングしていくのか非常に楽しみである。僕がお借りしているのはブルーなんだけれど、一番気になるのは実はパープルだったりする。
お金とカードを入れてみた
紙幣をセットして パチンと金具を閉じる。取り出すときは金具を開かなくてもOK 10枚ほど紙幣を挟んでみた
実は他にも2箇所ほどカードを入れるスペースはある。が、紙幣を入れた時の取り出しやすさを考えれば事実上この3箇所のみで運用することになりそう。
ちなみに新品の状態では樹脂製のカードを3枚入れるのはかなりきつい。これは使い込んで革が伸びたときにちょうどよくなる設計のため。使い込めば程よい抵抗感でカードを3枚収納できるようになるだろう。革のエイジングだけでなく、こういったポイントでも「革を育てる」を味わうことができる。
CARVA-Rugatoの気に入ったポイント
それではCARVA-Rugatoを使ってみて気に入ったポイントを紹介しようと思う。
- コバの処理や美しい手縫いなど、所有欲を満たす加工
- 使われているのは革と金属だけというこだわり
- 薄く小さいというスマートさ
所有欲を満たす加工
このCARVA-Rugatoは驚くべきことに革職人による手作りである。個人的に注目すべきは以下の2つだと思っている。
- 均一なコバの処理
- 美しい縫い目
下の写真をご覧いただきたい。
まず注目して欲しいのが「コバ」、裁断面、つまりフチの加工だ。CARVA-Rugatoのコバ処理はきちんとコーティングされ、そして丁寧に磨かれている。
極端な話、実用上はここまでキレイにコバが磨かれている必要はない。多少雑であっても少しザラザラするだけだ。そもそもコバに注目する人なんて少数だ。
だからこそ、革職人のこだわりや人柄が如実に現れるパーツでもあるから面白い。自分の財布の自分だけが知っているチャームポイントになるので、僕は丁寧に磨かれたコバが好きだ。
加えてこれまた地味なポイントだが、縫い目にも注目したい。CARVA-Rugatoは革職人がひとつひとつ手縫いによって仕上げている。厚い革に太い糸で力強く縫い付けられているかと思いきや、大局をみれば真っ直ぐで繊細。指を沿わせると革職人の息遣いすら感じられそうだ。
所有欲という意味では名入れも有効だろう。CARVA-Rugatoは有料で名入れも可能だ。一文字ずつ打ち付け刻印してくれるそう。職人にもうひと手間かけていただき、自分だけのCARVA-Rugatoを手にしてみてはいかがだろうか。
使われているのは革と金属だけというこだわり
何が言いたいのかというと、裏地に布が使われていないということ。
外側から見える部分は革なんだけれど、見えない部分は布やキャンバス地で切り替えしてある。なんていうのは高級ブランドでも案外ありがち。
でもCARVA-Rugatoは見えない部分まできちんとこだわっている。所有して初めて分かるこだわりって、本当に持ち主の気分を上げてくれる。
薄く小さいスマートさ
前項までは、いわば非実用的な部分について述べてきた。CARVA-Rugatoはたくさんのこだわりの詰まったマネークリップだということは伝わったと思う。
最後の気に入ったポイントは実用的な部分。薄く小さいという点だ。
手のひらサイズ とっても薄い、最高
これはマネークリップならではの強力なメリットだ。スーツの内ポケットに入れればスーツのシルエットを崩さないし、(あまりおすすめはしないが)タイトなジーンズの尻ポケットにだって収まる。
あまりに小さすぎて鞄にしまうと見つけるのに苦労するほど。
もちろん薄い分収納力は落ちるが、キャッシュレス化がすすみ現金やカードの機能の多くはスマートフォンに移植されている。マネークリップはこんな時代にこそ改めて注目すべき。
もしこれを読んであなたが「財布にカードが少ないと心配・・・」と感じたなら、試しに財布からカードを抜いて生活してみることをおすすめする。抜いたカードはヘアゴムで縛って鞄に放り込んでおけば安心だ。
僕の場合は
- メイン銀行のキャッシュカード
- メインのクレジットカード
- サブのクレジットカード
- (隠しポケットに)保険証
を持ち運べば十分だと感じた。運転免許証やコーヒー豆のポイントカードは別のカードケースに保管しており、必要な日だけ持ち出すようにしている。
他にもたくさんの魅力があるので革ee.comのページも確認してみてほしい。
CARVA-Rugatoのイマイチなポイント
マネークリップとしての完成度が高く、基本的には非の打ち所がない。イマイチ・・・というか最早好みの問題なんだけれど、気になったポイントも紹介しておく(はじめに断っておくが僕は極端に装飾が少ないのが好みのため、以下は少数派の意見かもしれない)。
「単色モデルがあればなあ・・・」というのが僕の唯一のネガティブな感想だ。
CARVA-Rugatoはツートンになっている。これは好みが分かれそうだと感じた。誤解のないように付け加えると、互いの色の親和性は高く、仮に壮年の男性がもっていてもまったく違和感はない。
でもニーズとしては単色のモデルもあっただろうな、というのが正直なところ。どうしても単色が良ければ姉妹モデルのCARVAという選択肢もある。もっとこだわりたければカスタムオーダーできるCARVAカスタムもある。小銭入れなしも選択できるのは強い。
収納力が心もとない、というのも気がかりな人がいるかもしれない。繰り返しにはなるがCARVA-Rugatoくらい収納できれば全く問題ない。あくまで僕の経験上だが、すぐに慣れるし、持ち歩くカードが極限まで減るストイックさが癖になる。そういった理由から、あえてイマイチなポイントとしては挙げなかった。
CARVA-Rugatoの使用シーン
最後にCARVA-Rugatoの使用シーンを僕なりに考えてみた。
- メインの財布として
- スーツ着用時の財布として
- ちょっとしたお出かけ時の財布として
メインの財布として
非常に小さく薄い財布だけれど、メインの財布としての能力は十分にある。お値段もする財布なのでそうじゃないと困るのだけれど。
足りないカードはカードケースを用意して、小銭も最小限にして、メインの財布をスッキリさせるのは案外気持ちがいい。まずは手持ちの財布でカードを減らすのを試してみてほしい。財布が薄くなるとその魅力に気づくはずだ。
スーツ着用時の財布として
スーツの内ポケットにはいり、なおかつスーツのシルエットを崩さないのは強烈な魅力だ。
オーダーでどんなに体にあったスーツを着用しても、ポケットにスマホを入れたり、内ポケットに大きく厚い財布をいれてシルエットを崩してしまえば台無しだ。
スーツのためだけであってもCARVA-Rugatoを手に入れる価値は十分にある。
ちょっとしたお出かけ時の財布として
なにもスーツじゃなくても、小さい財布が役に立つ場面はある。
近所のコンビニやスーパーに行くときはそんなにたくさんのカードを持ち歩く必要はないはずだ。あるいは車の中に忍ばせておく財布としても有能だろう(夏は車内から出してほしいが)。
そんな感じでサブの財布として導入するのもアリだと思う。意外と困らないと気づいて、いつの間にかメイン財布に昇格するかもしれない。
今日のぐうの音
まとめるとCARVA-Rugatoがおすすめな人は以下。
- とにかく薄い財布がいいが革の質感にもこだわりたい人
- ほとんどキャッシュレスな人
- オンオフで財布を使い分けたい人
- 恋人や配偶者が①〜③に該当する人
ちなみに僕はというと①〜③にバッチリ当てはまる。薄型の長財布を使っていたとはいえ、マネークリップは別次元のサイズ感で衝撃を受けた。ルガトー、栃木レザーともに革の質感も申し分ない。ここまで革へのこだわりを持ったマネークリップは稀有だ。
④については今の季節ならクリスマスプレゼントにぴったり。もちろん自分へのプレゼントでも。
購入は革ee.comで>トラ柄が魅力なルガトー すべて縫い上げた革職人のマネークリップ財布
名入れ希望はこちらから>CARVA-Rugato名入れ専用ページ