こんにちは、修士課程修了のるびこです。
僕は国立大学理学部を卒業し、同じ大学の修士課程を修了しました。
そんな僕が、大学院進学について考えてみたいと思います。
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大学院進学事情
僕の大学の僕の学部の話ですが、9割以上が進学します。学科には100人くらい同級生がいて、就職などで進学しない人は毎年10人いかないくらいという印象です。
「え!?就職するの!?進学どうするつもり!?」と驚かれます。
文系だと、全く逆です。
「え!?進学するの!?就職どうするつもり!?」
大学院ってどんなところ?
大学院には修士課程と博士課程の2種類があります。
入学するときに選べるわけではなくて、修士課程を修了(卒業とは言わない)したら博士課程に進学することができます。
- 修士課程は通常2年
- 博士課程は最短3年
で修了できます。博士課程が「最短」という表現なのは、ある程度の学術的な成果を出す必要があるためです。
ちなみに、博士課程前期、博士課程後期と呼ぶ場合もあります。
【メリット1】将来について決める猶予ができる
これを考えている人は意外と多いのではないでしょうか。
修士課程在籍の2年間の間、就職先など将来について熟考することができます。また、少しでも大学での研究で飯を食べて行きたいと考えている人は進学以外の選択肢はなくなります。
まわりのみんなが進学するから自分も進学する、という人の大義名分は「まだ就活したくない」です。
ただ、大学院で企業と共同研究して、社会を垣間見たり、一足先に就職した友達から有益な話を聞くことができるのも事実です。
【メリット2】研究の能力が身につく
2年間助教授や准教授の出世を担って、人生を背負って研究するわけですから、当然研究の能力がつきます。
具体的には論理的思考力やディスカッションの力、学会発表などのプレゼン能力、論文など文章にまとめる力などです。
社会に出てからも身につけられるとは思うのですが、研究室では「理にかなっている」ことが正義です。態度が悪いとか表現力が乏しいとかそういう要素は無視して、論理的にディスカッションする能力だけを研ぎ澄ませることができる環境は他にはないと思います。
【メリット3】人脈が広がる
大学の友人と言ったらサークルでつくるもの、というイメージがあります。
大学院では研究室で活動することになるので必然的に研究室のメンバーと仲良くなります。先輩後輩問わず。修論などの苦楽を共にする同期とは特に。
しかも、自分で付き合う人を選べないってのが面白いんです。きっかけがなければ話すこともなかった人とも仲良くなれて、
「こんな一面があったんだ!」とか「話すと案外おもしろい奴!」とかたくさん発見があるんです。研究室が同じじゃなければ恐らく一生話すことがなかった人とも、今でも仲良くさせてもらっています。
【メリット4】学術的成果を世に残せる、アカデミックへの道が開ける
この辺に価値を見出す人、そうでない人さまざまですが、
学術論文に自分の名前を残せる、うまく行けば自分が学術論文を書ける
って夢がありませんか?何人もの研究者が自分の書いた文章を引用してくれるかもしれないんですよ?
また、博士課程への進学が可能になり、アカデミックへの道が開かれます。やがては教授に!?
【メリット5】技術職に就職しやすくなる
技術職とは企業における理系のお仕事です。いわゆる研究開発のような仕事ですね。
専門的な知識を学んだ大学院生を多く採用する傾向があります。そもそも母数も多いのでなんとも言えないところはありますが、理系就職なら大学院卒という風潮があるのは確かです。
逆に事務系の仕事につくにあたっては、有利になるということはあまり期待しないほうが良いかもしれません。結局はアピールの仕方なので一概には言えませんが。
理系の学部卒(大学院卒ではない大学卒)は、理系の知識も必要な事務職につくことも多いみたいです。技術営業や購買、知的財産など。
【デメリット1】社会人より忙しい
これは専攻や研究室にもよりますが、一般的に正しいです。
月曜から土曜の9時から深夜12時までは必ず、平日の日付が変わってからや、日曜もよく研究室にいる
なんて人も普通にいます。もちろん給料は出ません。むしろ学費払ってます。
モラトリアムの延長を求めて進学を考えている人はどうぞお帰りください。
【デメリット2】婚期が遅れる
特に女性のかた。修士課程を修了したら最短でも24歳です。
就職して3年付き合って結婚して3年経って子供ができたらもう30歳です。若いお母さんになるには事前に計画を練っておく必要がありそうです。
【デメリット3】金欠が続く
研究室が忙しくなり、ほとんどの人がアルバイトを辞めます。一方で進学せずに就職した友達は給料をもらって豪遊を始めます。結婚し出します。
僕ときたら、結婚式のご祝儀を包むだけで涙目です。2-3万円は痛すぎる、、、
自分も就職したらブーストするぞと涙を飲みました。
まとめ
当然ですがどっちが正解ということはありません。
ただし、将来のことを早めに考えておくことは大切ですね。
結局は研究をしたいか、仕事がしたいかということ。インターンなどに早めに参加して自分にはどちらがあっているか見つめなおしてみることをおすすめします。
僕の大学院生活は大変なこともありましたが、楽しかったし、進学してよかったと思っています。
学費を出してくれた両親にはとても感謝しています。
この記事が進路決定の参考になれば幸いです。
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