XF16mm F1.4 R WRを手放してから、昨年2019年11月まで広角側は換算28 mmであるGR IIに任せていた。しかし以下のようなことが気になるようになってしまった。
- X-Pro2で使える最広角が換算53 mmであるXF35mm F1.4 Rでは物足りない
- 何より交換レンズがXF56mm F1.2 Rを含む2本だけというのも物足りない
- 防塵防滴のレンズがないので雨の日は写真が撮れない
などと、半ばこじつけのような理由から新しいレンズを検討していた。新しい機材を半年以上導入しておらず、実はカメラ熱が下がりつつある時期だった。そこで新しいレンズを買う理由が欲しかったのだ。僕は写真が好きというよりカメラが好きなのかもしれない。
そうして購入したXF23mm F2 R WR、使ってみたらとても気に入ったので紹介しておきたい。
気に入ったポイントは以下だ。
- 小型軽量でつけっぱなしにしておける
- 正確で俊敏なAF
- 防塵防滴で天候によらずスナップできる
理系男子によるコスパ算出
大手メーカー勤務の筆者が、その経験をもとに製品の本当のコストパフォーマンスを評価するコーナー
価格の手頃感 | |
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生活への影響度 | |
長く使えるか | |
スペックに現れない価値 | |
所有する高揚感 |
総合コスパ:
X-Pro2と相性抜群、持ってて損はない1本
>同じコスパ評価の製品一覧
「価格の手頃感」、「生活への影響度」が高ければ高いほどコスパも高くなり、逆に「スペックに現れない価値」が高くなるとコスパは低くなります。なお「所有する高揚感」はコスパ算出の対象外。
迷ったレンズたち
XF16mm F1.4 R WRを手放した理由の一つにX-Pro2に不釣り合いな重さがある。首から下げてスナップをパシャパシャ撮りたいのに、首から下げた状態で歩くと振り子となったカメラがみぞおちに刺さるのだ。写りは最高なのに、持ち出す回数が減ってしまった。
XF16mm F2.8 R WR
広角レンズを担う候補としては、XF16mm F2.8 R WRがまず挙げられる。実はGR IIを買うときにこのレンズと悩んだ経緯がある。GR IIとわりと近いスペックなので、今回は候補から外れた。
>【レビュー】フジノンレンズXF16mmF2.8 R WRを触ってみた!F1.4からの買い替えを検討してみる
XF18mm F2 R
非常に薄いパンケーキレンズ。そして開放F2とそこそこ明るい。これならGR IIとも差別化できそうだ。そしてこの薄さでありながら絞りリングもついている。
気になっているのが、XFレンズ初期の設計だということだ。同時に発売されたXF35mm F1.4 Rは写りこそ素晴らしいものの、使い勝手の面では作り込みが甘い点が多い。この手のレンズをもう一本持ちたいとは正直思えなかった。初期のレンズのため所望していた防滴防塵にも対応していない。
XF27mm F2.8
こちらもXF18mm F2 Rと同じように薄型のパンケーキレンズだ。F2.8と無理のない設計のためか写りも評判が良く、40 mm前後という焦点距離にも興味があった。
一方で先述の通り防塵防滴レンズの穴を埋める目的は果たしてくれない。絞りリングはなくても、防塵防滴さえ対応していてくれればこちらを買っていたかも。
XF35m F2 R WR
XF23mm F2 R WRと瓜二つなレンズ。換算50 mm前後の焦点距離は大好きなので魅力的だ。しかしXF35mm F1.4 Rも所有しているため、結局
「念のため明るいF1.4を持っていくか」
と、使い分けができないことが分かっていたので断念した。
>フジノンレンズXF35mm F1.4 Rレビュー!神レンズと呼ぶには疑問符だけれど良いレンズ
なぜXF23mm F2 R WRを選んだのか
それは愛機X-Pro2との相性に尽きる。
2017年に数量限定で販売したグラファイトエディションのX-Pro2に付属したレンズは、紛れもなくグラファイトのXF23mm F2 R WRだった。このことから、公式に認められた組み合わせであることがわかる。
実機を見ればそれも納得せざるを得ない。はじめからそういうカメラだったかのようにマッチする。XFレンズが全てこのルックスならいいのに・・・(と思ったところに16 mm、23 mm、35 mm、50 mmと揃っているのだからFUJIFILMさん分かってる)
かくして、僕は最高の組み合わせであるX-Pro2とXF23mm F2 R WRの組み合わせを手にした。
軽量で軽快、まさにX-Pro2をスナップシューターたらしめる標準レンズ
X-Pro2にXF23mm F2 R WRを装着すると塊感がある。先細りの意匠とインナーフォーカス機構がそう思わせてくれるのだ。首から下げても程よい質量感。これぞ僕の求めていたレンズだ。
僕は「誰がなんと言おうと標準レンズは50 mm」派なのだが、手持のXF35mm F1.4 Rと比較してもXF23mm F2 R WRのほうがしっくりくる。外見だけで無く使い心地も、である。
個人的に別売りフードLH-XF35-2は必須アイテム
まずは付属のレンズフードの写真から見ていただきたい。XFレンズお決まりの樹脂製で、軽く小さいのが特徴だ。
こうやって見ると、案外悪くない。
フードが全体のデザインを邪魔せず、レンズと一体のよう。
うん、なかなかかっこいいではないか。それでは、レンズキャップを装着した写真も見てほしい。
こ、これは・・・どうしてしまったのだろう。レンズフードに切ってある溝にキャップを装着する形。お世辞にもかっこいいとは言えない。
見てくれを重視して選んだレンズでもあるため、僕がレンズフードLH-XF35-2を購入するのは必然だったと思う。
XF23mm F2 R WRの作例
撮影はすべてX-Pro2。
線は太めだが、AFは早く無音。絞りリングも適度なトルクで使い勝手は非常に良い。この世代のレンズは完成度が非常に高い印象だ。
こういう感じの撮るには本当に丁度いい
ボケがほしいなら寄ってね、という感じのレンズ。逆光耐性はなかなかのものだと思う。
今日のぐうの音
XF35mm F1.4 RやXF56mm F1.2 Rにはない細かな設計上の配慮がみられ、細かいことを気にしなくても使いやすいレンズだと感じた。
- X-Pro2にベストマッチ!
- 防滴防塵で、雨の日も風の日もスナップできる
- 使い勝手に優れる最優先で使いたいレンズ
FUJIFILMを使い始める前は、あまり好きにはなれなかった先細りのデザインもいまでは大好きだ。XF35mm F2 R WRやXF16mm F2.8 R WRも揃えたくなるような魔力を感じる。気と財布の紐を引き締めなければ。