イヤホンは「出力する」ためだけのデバイスから「入力する」ことも担うデバイスへと変化しつつある。オンラインミーティングが急速に普及するに従って、さらに「入力する」、つまりマイク性能への需要は高まっている。
オンラインミーティングで特に重要なマイク性能は「通話ノイズキャンセリング」だ。風切り音や騒音などの環境音をカットして、確実に声だけを相手に伝える機能だ。通話ノイズキャンセリングの専門メーカーが開発したElevoc Clearを提供してもらったのでレビューしていく。
Elevoc Clearについて
Elevocは深圳の会社で、通話ノイズキャンセリングの技術を各社に提供している。Microsoft Teamsのようなオンライン会議システムにも採用されているそう。そんなElevocが満を持して自社の技術を搭載したTWS「Elevoc Clear」を発表した。現在クラウドファンディングでは特別価格の10,800円で応援購入できる(2022/2/15まで)。
Elevoc Clearを一言で表すと「なんでもそつなくこなす、マイクが強みのTWS」だ。
気に入ったポイント
- 高レベルの通話ノイズキャンセリング
- 通話ノイズキャンセリングを最大限活かすロングライフバッテリー
イマイチなポイント
- ワイヤレス充電非対応
- 本革ケース、いるのかな・・・
Makuakeプロジェクトページ>-90dBの世界へ。ノイキャン専門家が創るTWSイヤホンElevoc Clear
黒いAirPods Proとも言えるElvoc Clear
外観はほぼほぼ「黒いAirPods Pro」だ。背面のヒンジもフラットで美しく、手に持った時の収まりがよろしい。ケースの外観は非常に気に入った。机の上に置いたときにガタガタしないし、スベスベした質感もよくつい手にとってしまう。
下側に同期ボタン、USB-C端子、バッテリー残量のインジケータがまとまっている。
本体もおおむね黒いAirPods Proだ。ステム部はシルバーのデザインが入っている。
ただしサイズはひと回り大きく、正面にラインとロゴが入っている。これは賛否の分かれるところだが、どちらが上か分かり易いので個人的にはOK。
耳につけた感覚としては、やや大きめではあるもののフィット感は良い。歩いたりしても落ちてくるような不安はない。
Elevoc Clearはタッチ操作にも対応している。応答速度もよく、十分実用できると感じた。しかし使用中、「イヤホンがちょっとずれてきたかな・・・」と耳に押し込むときにセンサーに触れて誤動作させてしまうことがあった。
例えばYouTubeを見ている時に、Elevoc Clearを装着し直すつもりが「次の曲へ」を発動してしまい次の動画に切り替わってしまう、といった具合だ。要は慣れの問題で、タッチセンサーを避けてつまんで装着し直せばOKなのだが。
音質・ノイキャンは必要十分レベル
10mmのダイナミックドライバー搭載とスペック的には不足なし。ただしここは実際に聞いてみないと判断できないポイントだ。
結論としては特に不満なく聞けるレベル。近年はドライバに工夫を凝らして高音質売りにしているTWSも存在しており、「そういったモデルにも負けない音質だ!」とまでは言えない。とはいえ、音質に関してはAirpodsと同等レベルと考えてもらって良い。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)も搭載されている。・・・が、効き具合は控えめな印象。耳にフィットする形状でそもそもの遮音性が高いのもあるので、トータルとしての遮音性は個人的には満足のいくレベルだ。ANCはないよりはマシ、とは思うが電池持ちも考えれて僕はオフで使っている。
Ambient(外音取り込み)はホワイトノイズが少し乗るように感じた。しかし屋外を歩くときは音質はそこまで気にしないだろうから、外音取り込みを使うことをお勧めする。
Makuakeのプロジェクトページではまったくアピールされていなかったのだが、遅延がないことに驚いた。動画を再生してみても動画と音声がぴったりシンクロしている。オンライン会議用途にもピッタリだろう。
後から気づいたのだが、プロジェクトページの最下部、Q&Aに遅延についての記述があった。環境にもよると思うが(おそらく最短)0.15秒のオーディオ転送時間だそう。前述の通り会議や動画再生には十分だが、もしかするとリズムゲームでは不都合が生じるかも。
気に入ったポイント2点を解説
イヤホンの基本性能には満足していることは前述の通り。その中でも特に気に入ったポイントを2点紹介する。
周りと差をつける通話ノイズキャンセリング
近年急速に機会が増えたオンラインミーティング。それは僕も例外ではなく、通話品質の重要性は日に日に体感している。声が聞き取れないと「聞き返す」、「発言し直す」という生産性皆無のやりとりが生じてしまう。自分が手間なだけでなく、相手の時間も奪ってしまう。
「通話品質の重要性は理解するものの、専用のマイクを準備するほどでは・・・」というあなたにはイヤホンのマイク品質を気にしてみてほしい。
Elevoc Clearはまさにそんなあなたのためのイヤホンで、通話ノイズキャンセリングが非常に強力だ。実際に通話に使用してみると、明らかにノイズが少ない。マイクに立体感があるかとか、解像度が高いか、と言われると正直なところそこまでではないのだけれど、ノイズがよく抑えられているため「音質」としては高く仕上がっている。
音で表現する目的ではなく、オンラインミーティングのように声でメッセージを伝える目的であればElevoc Clearは最も適したチューニングと考えることもできる。
長時間のミーティングにも耐えうるバッテリー
「せっかくマイクに強みがあるのにバッテリー駆動じゃ電池切れが怖くてオンラインミーティングでは使えないじゃん・・・」
なんてはじめは思っていた。
しかしElvoc Clearは単体で5時間もバッテリーが持つ(ANCオン時)。たとえば2時間のオンラインミーティングで2回連続使用してもまだ大丈夫なのだ。これは製品コンセプトと合致していてとても好感を持った。なおANCをオフにすれば6時間もつのでさらに安心。
イマイチなポイント2点を解説
繰り返しになるが、基本性能としては満足している。その上で「これが解消されたらもっと色んな人に勧められるのに・・・」というポイントを2つ挙げておきたい。
ワイヤレス充電非対応
スペック的な話をすればここだけが残念。ケースもそこそこ大きいので頑張ればQiのコイル入ったのでは?と思わなくもない。
端子はUSB-Cなので充電に困るということはないのだけれど・・・ワイヤレス充電に慣れてしまうと戻れなくなるのが人間の不思議なところ。裏を返せば、もしあなたが現在イヤホンをワイヤレス充電していないなら、さほどデメリットにはならないかも。
本革イヤホンケースカバー、いる?
Elevoc Clearにはオプションで本革ケースが用意されている。購入者限定で1,500円で購入できるのだが、いい意味で価格に見合わないほど品質が高い。本革らしい香りも心地いいし、柔らかな革の質も良い。繰り返しになるが1,500円はサービス価格だと思う。
けど、使うかな?イヤホンを出すのに1ステップ増えてしまうし、ケースの分体積も大きくなってしまう。
さらに困ったことに(これは使い始めだけだと思うが)革のカスのようなものがケースに付着してしまう。流石に純正だけあってサイズ感はぴったりなだけに惜しい・・・
せっかく本革ケースも提供いただいたのに不要論を述べてしまったのでフォローしておくと、このクォリティが1,500円で買えるのは何かのバグと言っていいくらいなので、とりあえず同時注文しておくのもいいと思う。もしElevoc Clearの持ち運びに使わなかったとしても、目薬やリップクリーム、ハンドクリームなどの持ち運びに使うのもいいだろう。
今日のぐうの音
- マイク性能にこだわりたい人
- 長時間連続使用をする人
- 黒い筐体のTWSがほしい人
これらに該当する人はElevoc Clearを是非チェックしてみてほしい。現在クラウドファンディングで2/15までは特別価格の10,800円で応援購入できる。
実は一番気に入っているポイントはイヤホンケースだったりする。実物がないと伝わらないと思うのだけれど、すべすべした質感とコロンとした筐体の手への収まりが最高に良いのだ。
Makuakeプロジェクトページ>-90dBの世界へ。ノイキャン専門家が創るTWSイヤホンElevoc Clear
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