僕はクォーツ色の腕時計も使いますが、機械式腕時計も好んで使います。
機械式腕時計は便利なクォーツ式に駆逐された過去のモノ・・・なんですが、わざわざ僕を含めて使い続ける人がいるのには理由があるのです。
- そもそも機械式腕時計ってどんなもの?
- 機械式腕時計を使っていて苦労すること
- それでも機械式腕時計を使い続ける理由
この記事では上記について解説していきます。機械式腕時計使ってみたいけれど、一歩を踏み出せないあなたのために書いた記事です。
僕が使用している機械式腕時計のレビューは「27歳、カスタムオーダー機械式腕時計Knot AT-38を購入しました【レビュー】」という記事で。
そもそも機械式腕時計ってどんなもの?クォーツとどう違うの?
一般的なのはクォーツ。クォーツに電圧をかけたときに生じる規則的な振動、これを使って正確に時を刻む仕組みです。
このクォーツの登場によって一気に立場を失ったのが今回の主役である機械式腕時計。
細かい部品やバネなどの機械的な仕掛けで時間を計測するのです。動力源は簡単に言えばゼンマイ式。ゼンマイを巻く方法は
- 手巻
- 自動巻(着用して歩いたりすると自動で巻き上がる)
の2種類があります。
かつて腕時計といえばスイスの機械式がほとんどだったのですが、日本のセイコーがクォーツを開発してから一気にクォーツが主流になりました。機械式腕時計は実用品ではなく、嗜好品として一部の愛好家だけのものになってしまったのです。
そんな機械式腕時計を購入してから3カ月。買う前から知ってはいましたが、たくさんのデメリットがありました。にもかかわらず使いたいと思わせてくれるのが機械式腕時計の魅力。デメリットと合わせてそんな魅力もお伝えできればと思います。

機械式腕時計の4つのデメリット
機械式腕時計を使っていて困ることや苦労することを4つまとめてみました。
機械式腕時計のデメリット① 放っておくと止まる
機械式腕時計はゼンマイを巻かないと止まります。自動巻なら腕につけて生活していれば自動で巻き上げてくれるのですが、2~3日使わないと止まってしまいます。
僕は2日連続で同じ腕時計を使わないよう気をつけています。1日の活動量が多くないためか、機械式腕時計を2日後に使おうとすると止まっているんですよね。
止まってしまった時は、手動で巻き上げなくてはいけません。そして時刻合わせも。
日付機能付きだと、日付も合わせなくてはいけませんから(それはつまり時刻の午前午後も合わせる必要があるということなので)さらに手間です。
時刻をしょっちゅう合わせ直していると、数秒の差なんて気にならなくなります。時間に対しておおらかになれる。現代人には逆にこのくらいが丁度良かったりして。
スマホを見ればいつでも正確な時刻を知ることができる。だからこそ、腕時計の正確さはだいたいでいい。贅沢な楽しみ方では?
機械式腕時計のデメリット② 時刻の正確性に難あり

機械式腕時計はクォーツに比べて誤差が生じやすいです。時計の精度はよく「どのくらいの期間で何秒の誤差が生じるか」で評価されます。
- クォーツ式腕時計:年差30秒程度が一般的
- 機械式腕時計:日差15秒程度
数字だけ見れば機械式の方が誤差が小さいように見えますが、クォーツは年差で機械式は日差なんですよ。たった1日で数秒、1週間経てば数分の誤差が生じる可能性があります。
その誤差を大きいと見るか許容範囲かはライフスタイルによるところかと思いますが、クォーツに慣れてる僕らからするとちょっと驚きですよね。
実はこのデメリットってもう一つのデメリットによって帳消しになるんです。何を言っているか、訳がわからないと思います。
一つ前のデメリットを思い出してください。
「放っておくと止まる」
それすなわち、数日おきに時刻合わせの必要が生じるということ。時刻合わせさえしてしまえば、それまで蓄積されていた誤差はリセットされるわけです。
使用前の時刻合わせの習慣がつくので、放置してしまいがちなクォーツよりむしろ高精度で運用することも可能なわけです。
機械式腕時計のデメリット③ 振動や磁気に弱い
機械式腕時計はセンシティブなので、丁寧に扱わなければいけません。細かい金属部品の組み合わせで動くのである程度仕方がありません。
保管時は近くに磁石がないか気をつけなくてはいけませんし、着用中の激しい運動やオートバイの運転も避けるべきでしょう。
逆に言えば、落ち着いた紳士の1日を過ごすにはぴったりの腕時計というわけです。
機械式腕時計のデメリット④ 維持費がかかる
単純に考えればクォーツと違って電池交換が不要なので、維持費は安いかに思えます。残念ながらそれは大きな間違い。
機械式腕時計は定期的にオーバーホールというメンテナンスに出す必要があります(本当はクォーツでもやったほうがいいらしいけれど)。
頻度は諸説あって3年おきだったり5年おきだったり、人によってバラバラです。
そしてそのオーバーホール、何と数万円かかります。クロノグラフだったら更に高くなったりします。結構な負担ですよね。クォーツの電池交換なら高くても数千円程度ですから。
オーバーホールの費用だけで数年おきにそこそこの新品の時計が買えてしまいます。あなたはこれをどう考えますか?
機械式腕時計のたった一つのメリット
ここまでデメリットを上げてきました。一言で言うととにかく面倒くさい腕時計なわけです。
にもかかわらず、僕が機械式腕時計を使い続けるのにはクォーツにはないメリットがあるから。そのメリットについて解説していきます。
メンテナンスさえし続ければ、半永久的に使える

これが僕の感じる機械式腕時計のメリットです。先述のオーバーホールさえ定期的に出し続ければ、ずっと使い続けることができます。
クォーツは電子部品を使用しているため、部品の生産が終了してしまえば修理ができなくなってしまいます。そうなってしまうと腕時計メーカーではどうすることもできません。
一方で機械式腕時計なら交換する部品も汎用的なものなので、生産終了を心配する必要が基本的にはありません。
万が一腕時計メーカーがなくなってしまっても、腕の良い腕時計職人さんがいる限りは、どのお店でもオーバーホールをしてもらうことが可能です。
結婚や出産など、記念のタイミングで機械式腕時計を購入すれば、おじいちゃんになってもその腕時計を着用するたびに買った日のことを思い出せますね。
どうでしょう?機械式腕時計に興味が湧いてきましたか?
機械式腕時計を巻くと、時間にガツガツしなくなる
最後にメリットでもデメリットでもないけれど、機械式腕時計を使い始めて一番変わったなあ、と感じるポイントを紹介しておきたいと思います。それは時間に対する考え方です。
(人によってはむしろデメリットかもしれないけれど)機械式腕時計を巻いた日は1分1秒に対してガツガツしなくなります。
というのも、機械式腕時計は日差がおおきく数秒のズレは当たり前だし、止まっていたからその日の朝に適当に時刻合わせ、なんてこともザラにあります。
だから必然的に「機械式腕時計は数分はズレているもの」という認識になってきます。
例えば待ち合わせ相手が数分遅れても「自分の方の腕時計が早かったのかな」と思えば全くイライラしません。飛躍しすぎな感じもしますが、機械式腕時計を巻くことで普段の振る舞いに大人の余裕が生まれる気すらします。
「じゃあ、電車や飛行機に乗るときなど、正確な時刻が必要な時には不向きなのか」と言われれば、「意外とそうでもない」というのが僕の考えです。理由は自分の腕時計は遅れているかも、という考えのもと余裕を持って行動するからです。
上記の理由から、都会の忙しない空間の中でも機械式腕時計を巻いていれば自分だけは自分の時間軸で生活できるような、そんな気がします。
今日のぐうの音

機械式腕時計を使い初めて感じたことをまとめてみました。機械式腕時計のデメリットとしては
- 放っておくと止まる
- 正確性に難がある
- 振動や時期に弱い
- 維持費がかかる
以上の4つ。一方で半永久的に使える(そして時間に対してガツガツしなくなる)という点を機械式腕時計のメリットとして挙げさせていただきました。
あなたがお察しの通り、クォーツの方が全面的に便利だし、スマートウォッチの方が圧倒的に高機能です。そこまで贅沢な選択肢がある現代でスマートウォッチが買えるくらいの金額を出してまで機械式腕時計を使う理由を感じていただけたでしょうか?
ようこそ機械式腕時計の世界へ。
▲僕が愛用している高コスパなカスタムオーダー機械式腕時計です。

Aldenの革靴

革靴といえばAlden。一度は履いてみてもらいたい一足。グッドイヤーウェルト製法でソールの交換も可能。長く履くことができます。
革靴はスーツと違って流行があるわけではありませんし、品質の差がわかりやすいので、背伸びしてでも高級品を買って長く履くのが結局コスパいいと思ってます。
26歳。ALDEN(オールデン)の革靴を購入【ハワイのレザーソウルで買ったよ】
https://www.gu-none.com/entry-alden01
Knotの自動巻き機械式腕時計AT-38
電波時計でもなければソーラ充電でもない。なんならクォーツですらないという機械式腕時計。
手間のかかるモノですがそこがまたいい。魅力はレビュー記事に詳しく書いています。
27歳、カスタムオーダー機械式腕時計Knot AT-38を購入しました【レビュー】
楽天から購入できます▼
https://www.gu-none.com/knot-at-38
万双のコードバン長財布

コードバンとは馬のお尻の革のこと。「キング オブ レザー」とも呼ばれる強靭さ・希少価値ともに高い革です。
3年くらい使用していますが、シワひとつできないその強さに僕自身が驚いています。
エイジング記録をまとめています> 【連載企画】革のエイジング