理系男子によるコスパ算出
大手メーカー勤務の筆者が、その経験をもとに製品の本当のコストパフォーマンスを評価するコーナー
価格の手頃感 | |
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生活への影響度 | |
長く使えるか | |
スペックに現れない価値 | |
所有する高揚感 |
総合コスパ:
価格高騰でコスパは悪化傾向。だけれどリセールまで考えれば意外と・・・?
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「価格の手頃感」、「生活への影響度」が高ければ高いほどコスパも高くなり、逆に「スペックに現れない価値」が高くなるとコスパは低くなります。なお「所有する高揚感」はコスパ算出の対象外。
Summilux 50mm F1.4 1st 前期ってどんなレンズ?
一言で表すなら「工芸品のような鏡胴、フレアを纏った繊細な描写とどこをとっても美しいレンズ」だ。
気に入ったポイント
- 現代基準ではコスト度外視とも思える贅沢な作りの鏡胴
- 開放では滲み、白昼夢のような幻想的な写真が撮れる
いまいちなポイント
- 価格が高騰傾向
Summilux 50mm F1.4を購入した経緯
たまたま立ち寄った店舗でこのSummilux-M 50mm F1.4 1st 前期を見つけた。周辺のバルサム劣化があったものの、手頃な価格だったため衝動買いをしてしまった。
なぜ欲しいと思ったか
Summilux銘のレンズを一回くらい経験してみたいというのが一番の理由だ。
Summiluxは当時最も明るいレンズだったため、最高級レンズであったことは疑いようがない。モノとしての佇まいやピントリング、絞りリングを回した時に滲み出る造りの良さに感動し、是非とも手元に置いておきたいと思った。
当時持っていた50mmレンズとの使い分け
購入当時は50mmはSummicron-M 50mm F2 4thをメインとしていた。安定感のある描写で信頼できる一方で、そこそこ古い設計による絶妙なオールド感も同居したバランスの良いレンズだ。
Summiluxとは開放F値が一段違い、描写の抜けの良さも全く異なるので使い分けはできるだろうと考えた。
Summicron-M 50mm F2のレビュー>Leicaの撒き餌レンズ!Summicron-M 50mm F2 4thレビュー
実はSummiluxとほぼ同じ口径のSummarit-L 5cm F1.5も所有している。レンズ構成もほぼ同じ、5群7枚の変形ダブルガウスなのだ。つまりSummilux-M 50mm F1.4 1st 前期はSummaritのマイナーアップデートと言い換えてもいい。ちなみにSummilux-M 50mm F1.4 1st 後期は1st 前期とほぼ同じ外観で、レンズ構成は大きく変わっている。
そんなこんなでSummaritとうまく使い分けられるか不安なままSumniluxを購入した。
Summarit-L 5cm F1.5のレビュー>Leica Summarit 5cm F1.5レビュー|Leicaが生んだ癖玉【SIGMA fp+オールドレンズ】
SummaritとSummiluxの使い分けは実はあまりできていない。Summaritは専用フードのXOONSの押しネジ固定が不安だったり、僕の個体はピントリングのトルクにムラがあったりで使用時にやや気を遣うところがあった。なので自然とSummiluxの方を持ち出すことが多い。
世代別Summilux 50mm F1.4
1st 前期:1959年発売。Summaritの流れを汲むレンズ構成。本稿で紹介するレンズ。この中でもごく初期のロットにピントリングのローレットが逆のものがあり、プレミアがついている。
1st 後期:1961年発売。クローム鏡胴の外観そのままにレンズ構成を改良。ここから2ndと呼ぶこともある。
2nd:1968年発売。第一世代後期の鏡胴をブラッククロームに変更したもの。体感だけれど最も流通量が多い印象。
3rd:1994年発売。レンズ構成はそのままに鏡胴デザインを刷新。最短撮影距離も0.7mmに。
4th:2004年発売で現行品。1961年から続いたレンズ構成をここで変更した。デジタルを意識してか非球面レンズやフローティング機構を採用。慣例でASPH.をつけるので4thとはあまり表記されない。
・・・とこんな感じ。流通量は2ndが一番多い気がするけれど、3年しか生産していない割には1st 初期も普通に見つかる。逆に3rdはあまり見たことがない。
貴婦人と呼ばれるSummilux 50mm F1.4 1st 前期の鏡胴
1stの前期と後期の見分けかたはシリアルナンバー。こちらのサイトによるNo.1844000までが初期とされている。
Summarit-L 5cm F1.5は無限遠ロックがあったが、Summilux-M 50mm F1.4にロック機構はない。
そして絞り羽根の形状も異なる。Summaritは15枚の美しい円形だが、Summiluxは12枚で十二角形だ。どうしたSummilux!?
Mレンズになってから円形絞りの採用が減ったのは絞らず使えという暗示なのか。そしてコーティングはアンバー寄り。ということはやや寒色よりに映る?
フードはXOOIM(12521)が世代的にマッチするが、12586も使用可能。12586は蹴られ防止の切り欠きがあって機能的には優れているのかもしれないが、シルバークロームの鏡胴にマッチするXOOIMを購入した。フードキャップも付属する。
レンズ先端の溝にフードの爪を引っ掛ける形で固定する。フードの逆付けも可能で、逆付け時にフードキャップが使える。
XOOIMの使用時に注意点がある。それはレンズフィルターとの干渉だ。一般的な厚みのあるフィルターとの併用はできない。僕はUNのeins SUPER PROTECT FILTER 43mmを使用している。
Summilux 50mm F1.4 1stの特徴
Leitz(現在のLeica)の50mm F1.4では最初のモデルにあたる。発売は1959年なのでM2発売の2年後になる。
絞り開放ではピント面がわずかにフレアを纏い滲んだような描写になるのが特徴。鏡胴も独特の美しさは人気があり、「貴婦人」と呼ばれているほど。
作例を紹介する。使用したカメラはLeica M10-R。
開放。周辺減光は大きめ。柔らかな滲みが特徴的で、35mmのSummilux 2ndと近い世界観を持つ。
球面収差がアンダーコレクションだからか、絞ると急激にシャープになる。
個体差もあると思うが、綺麗な虹色のゴーストが出る。この写真はフードは使用していない。
これも絞った写真。
逆光ネコ
少し絞ったくらいが一番好きかも。
玉ボケはいかにもオールドレンズって感じ。
Summarit-L 5cm F1.5ほどではないけれどぐるぐる。
やっぱりちょっと絞ると良い。
今日のぐうの音
Leicaが乗りに乗っている時代のものづくりを味わうには最高のレンズだろう。同じ時代のSummilux 35mm F1.4 “1st” には手が出なくても50mmの1stなら手が届くという人も多いはず。
描写も特徴的だ。開放では滲み、絞り込むにつれて急激にシャープになっていく。柔らかい描写のレンズとシャープなレンズの2本分の機能を果たせると思うとお得だ。
もし興味を持っていただけたなら、ぜひ探してみてほしい。その時は同じ鏡胴でもレンズ構成が異なるものがあるので注意してほしい。
ほぼ同じレンズ構成のSummarit-L 5cm F1.5のレビューはこちら>Leica Summarit 5cm F1.5レビュー|Leicaが生んだ癖玉【SIGMA fp+オールドレンズ】
より新しいSummicron-M 50mm F2のレビューはこちら>Leicaの撒き餌レンズ!Summicron-M 50mm F2 4thレビュー
こうやって並べられるくらいキーボードを買い漁るようになるなんて思ってませんでした。
自作キーボードErgo42 towel
最終的にたどり着いた自作キーボード。何もかもが自分の思い通りになって最高です。あなたが今使っているキーボードで、押したことのないキーが一つでもあるなら自作キーボードを検討するべき!
> 自作キーボードErgo42 towel1ヶ月使用レビュー|左右分離・格子配列には慣れるのか
静電容量無接点方式のHHKB Professional BT 墨
市販品では最高のキーボード。
静電容量無接点方式という癖になる打鍵感を持つ魔のキーボード。これを一度使うと普通のキーボードでは満足できない体になってしまいます。
> 【HHKB Pro BT購入レビュー】高いけど買ってよかった!他のキーボードは使えなくなる打ち心地
タイプライター風のAZIO Retro Classic
こだわりが詰まったキーボードを初めて触ったのがコレ。
僕をキーボード沼に引き込んだ張本人です。本物の木が使われていて見た目だけでなく触った感触もレトロ感満載のキーボード。でかくて重いところも抜群の安定感の秘訣。
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Apple純正Magic Keyboard
Macで使うなら一度は検討するべきキーボード。iPadには専用のキーボードも純正・サードパーティ問わず多くリリースされていますが、実はiPadで使うなら最もバランスが良いのがこのMagic Keyboardだったりします。
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