僕は大学時代に万年筆に出会い、入社時からずっと仕事で万年筆を常用しています。
その一文からお分かりいただけるように、万年筆は手書き入力に関しては最高のインターフェイスです。触ったことのない方がいたら是非使ってみて欲しいです。
新入社員が万年筆使っていたら珍しがられますが、僕は珍しがってきた人全員に万年筆を勧めてきました。そこまで万年筆激推しの僕でも「万年筆のここはよくない、ボールペンに覇権を奪われたのもうなずける」と思うところがいくつかあります。
万年筆を使ってみて「こんなはずじゃなかった!」とならないように、万年筆を常用するにあたって知っておきたいことをまとめておきました。万年筆の購入を考えている方は参考にしてみてください。
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万年筆は紙を選ぶ
万年筆を使って書いたら・・・
- 書いたあとからじわじわ滲んできた
- 裏から書いたあとが見える(油性ペンで書いたときみたいな)
- 万年筆のペン先を紙の同じ場所に触れさせていたら紙に穴が空いてしまった
こういったことが稀にあります。
実は万年筆って薄い紙や滲む紙にはめっぽう弱いんです。誤解を恐れず言えば、高い紙ならOK
とはいえ、一般的なコピー用紙なら問題ありませんので安心してください。
長期間使わないと書けなくなる
ボールペンも何年も使っていないと書けなくなることがあります。万年筆はもっと早い時間で書けなくなってしまいます。ペン先が乾燥してしまうんですね。
どのくらいで書けなくなるかは保管状態によります。キャップをし忘れていたら悲劇。
長期間使わずに保管する場合は中のインクを出して、洗浄・乾燥させておきましょう。正しく保管しておけば万年筆という名前の通り末永く使うことができます。
万年筆は手入れが必要
じゃあ万が一ペン先が乾燥して書けなくなってしまったら?
そんなときはお湯でペン先を洗いましょう。乾燥して固まったインクがとけてまた使えるようになります。
インク交換の際にもペン先を洗浄する必要があります。たとえより濃い色に交換する、似たような色の他社インクに交換する(色が混ざっても構わない)場合でもペン先の洗浄は必須です。いたずらに色素を混ぜるのは危険ですから。
ちなみにインクを補充するときは手が必ず汚れます。それも覚悟しておいてくださいね。
ペン先は非常にデリケート
金のペン先はとりわけ柔らかく、どんどん使い手に馴染んでいきます。自分だけのペンになっていく過程が万年筆の醍醐味。他人に貸すのも出来れば避けたいところ。
普通に書くだけでペン先は徐々にその形状を変化させていくのです。ペン先は万年筆の全てであり、最も繊細な部分。
堅い床にペン先から落としたら破損しかねません。悪く言えば高価な金のペン先ほど耐衝撃性に劣る、という見方もできるわけです。
万年筆は毛細管現象を使って書きます。ね?デリケートっぽいでしょう?ボールペンのようにラフに扱うことは控えてください。
今日のぐうの音
最後まで読んでみて「万年筆、憧れはあるけれど、なんか面倒臭そうだな」なんて思いました?
そうです。面倒くさいんです。でもその不便さが万年筆を使う楽しみでもあるんです。ちなみに僕の場合は「不便さを楽しめている自分が好き」というナルシスト的な一面も無きにしもあらずですが(万年筆ユーザーみんながナルシストと言っているわけではありません!)
もし始めは不便に感じたとしても、万年筆の流れるような独特の書き味や手にしたときの高揚感に比べたら些細なことだと気づくでしょう。便利な便利なボールペンが安価に手に入るようになっても万年筆が文具店から姿を消さない事実が、そのことを物語っていると僕は思います。
金のペン先について偉そうに書いてましたが、僕が愛用しているのはLAMY Safariです。
LAMYの万年筆にコンバーターを使ってiroshizukuというインクを使っています。