SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artってどんなレンズ?
2020年8月27日にSIGMAから発売された大口径中望遠レンズだ。LマウントとEマウントがある。僕はSIGMA fpユーザーなので、Lマウント版を予約し発売日に手に入れた。したがって本レビューは1ヶ月程度使用した感想、と言うことになる。
特徴としては光学補正と電子補正を巧みに活用して収差を抑え込んでいることが挙げられる。電子補正に任せるところは任せている分、F1.8レンズクラスの小型さを実現したのも特筆すべき点だ。この小ささで僕は購入を決意した。
詳しい経緯は「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art L-mountを予約しました【人はストーリーでモノを買う】」という記事で説明している。
理系男子によるコスパ算出
大手メーカー勤務の筆者が、その経験をもとに製品の本当のコストパフォーマンスを評価するコーナー
価格の手頃感 | |
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生活への影響度 | |
長く使えるか | |
スペックに現れない価値 | |
所有する高揚感 |
総合コスパ:
10万円でこの写り。もう言うことなしだ
>同じコスパ評価の製品一覧
「価格の手頃感」、「生活への影響度」が高ければ高いほどコスパも高くなり、逆に「スペックに現れない価値」が高くなるとコスパは低くなります。なお「所有する高揚感」はコスパ算出の対象外。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artの作例
まずは作例からご覧いただきたい。普段オールドレンズを使用しているので、レンズごとに個性あふれる収差と戯れながら写真撮影している。しかしSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは収差をよく抑え込まれており、まさに見たまま映ると言う印象だ。
レンズの個性に頼って撮影できない分、撮影者の腕が試される気がした。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artのヌケの良さを表現したかった写真。レンズの構成枚数は豪勢なのにヌケはいいように感じる。
Teal and Orengeで2枚、秋を感じる
シャドウ部はあえて潰しているが、持ち上げればしっかり色情報は残っている。
これは横構図を縦にトリミングしたもの。解像感は十分だ。
景色を切り取るスナップに85mmはぴったりだ。
中望遠は何を撮っても、なんとなくそれっぽくなってしまうので好き。
ゴーストは目立たないが、出ないこともない、と言う印象。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artの良いところ
いやあ、そんなにたくさん撮影したわけでなはいが買ってよかったと断言できる。SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artの良いところはたくさんあるんだけれど、特にお伝えしておきたいのは以下の2つ。
- 大口径とは思えない小型軽量設計
- よく補正された収差
大口径とは思えない小型軽量設計
まずはやはり軽さだ。ただしSIGMA fpがチート級に小型軽量なので、相対的にSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artが大きく感じる。そこは差し引いてみて欲しい。
SIGMA fpに装着したバランスは、悪い。中望遠でブレに敏感というのもあって、片手撮影は諦めた方が良い。しかし両手撮影ができるなら、しっかりとレンズをしたから支えてあげれば、縦位置でも横位置でも同じように安定して撮影できる。ので、個人的には無問題。
よく補正された収差
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artの収差は前述のとおり、光学補正と電子補正の両方をうまく活用して抑え込んである。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN Art
— とるなら (@FukuiAsobiWeb) August 27, 2020
歪曲収差 補正 オン・オフ
これが弱点とは思っていませんが、直視しなければならない光学的な収差
そして現在Adobe Camera RAW非対応 pic.twitter.com/aR0xUZAeke
例えばSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは極端な糸巻き型収差を持つ。これは電子補正の得意分野なので、カメラ内でソフト的に綺麗に補正されている。
非点収差や色収差は光学的によく補正されている。色収差の目立たなさには驚いた。写真っぽさがないというか、目で見た感じに近いのだ。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artのイマイチなところ
もちろん完璧なレンズなんて存在しない。SIGMA 85mm F1.4 DG DN | ArtをSIGMA fpと運用する、という観点でイマイチなところも述べておきたい。1ヶ月ほど使ってみた時点で感じたイマイチなところは下記の2つ。
- 夜間や室内はフリッカーで高速シャッターが切れない中望遠になってしまう
- (SIGMA fpとの組み合わせでは)フードがでかく感じる
フリッカーとの戦い
SIGMA fpは電子シャッターしか使えない。メカシャッターに比べ幕速に劣るため、フリッカーが出やすいという欠点がある。
具体的に東日本(交流電源の周波数が50Hz)ではシャッタースピード1/100秒が限界だ。1/125秒以上早いとフリッカーによる露光ムラが発生する。
厳密にはシャッタースピードを1/50秒まで落とさないと本当の意味での露光ムラは回避できないかもしれない。しかし個人的には1/100秒で許容できる範囲になる。光源によっても変わると思うが。
とにかく焦点距離85mmで手持ちなら1/100というシャッタースピードはかなりギリギリだ。個人的には歩留まりを考えると1/200はほしいくらい。
僕は蛍光灯のもとで撮影する際はシャッタースピードを1/100にしておいて、2〜3枚連射、その中でベストを探す、という非常に面倒なことをしている。
せめて手ブレ補正かメカシャッターがあればなあ・・・
こんな感じなので135mm単焦点が発売されても、レンズ内手ブレ補正が強力でなければ買うのは躊躇してしまう。100-400mmくらいならむしろ明るい屋外でしか使わなそうのなのでいいんだけれど。
フードがでかい
フードはロック機構がついており、質感も非常に良い。ただし、でかい。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artのサイズが小さい分、なおさら大きく感じる、と言うのもあるだろう。というか多分そのせいで、特別にフードが大きいと言うわけではなさそうだ。
加えてArtラインなので、何より描写を優先しているのだろう。どんなに素晴らしいコーティングを施しても、強い光源を入れないのが一番のフレア・ゴースト対策なことに間違いないのだ。
だがあえて、フードがでかいと言っておきたい。なぜなら僕はSIGMA fpとの組み合わせで使用しているから。
基本的にフードはちゃんと付ける派なんだけれど、気軽にフード無しでも使えるようにレンズフィルターも購入した。ちなみにフィルター径は77mmだ。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art外観レビュー
最後にSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artの外観の詳細を見ていく。
ありがとうございます〜。「箱小さい報告」多数確認。 https://t.co/CMLdVLWbuS
— Kazuto Yamaki (@KazutoYamaki) August 27, 2020
そう、箱が小さい。
上から次のような順番で配置されている。
- AF/MF切り替えスイッチ
- ファンクションボタン
- 絞りリング クリック/デクリック切り替えスイッチ
絞りA(オート)の位置でロックすればAから動かなくなるし、A以外の位置でロックすればAには入らなくなる。
でも今のところこのスイッチは活用していない。
なぜなら絞りリングの質感がいい感じだから。F16のとなりがAなんだけれど、他よりも間隔が空いていて意図的に回さないとAに入らない。実にいい感じ。F社の絞りリング付きレンズにはそんな配慮がなくて、Aで撮ってたつもりがF16になってたりして困っていたのだ。
SIGMA 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビューで大絶賛していた絞りリングのトルク感も踏襲されていて回しているだけで悦に入ることができる。重すぎず、軽すぎず本当にいい感じ。
>SIGMA 45mm F2.8 DG DN Contemporaryレビュー|作り手のこだわりが詰まった稀有なレンズ
それではSIGMA fpとの組み合わせを御覧いただきたい。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
次は他のLマウントレンズと比べてみる。左から
今日のぐうの音
0歳の娘の写真を撮るためにこのSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artを購入した。家族の写真をお見せできないのは残念だが、もちろん人物撮影では最高のパフォーマンスを発揮してくれている。
SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artはオールドレンズ含め軽量なレンズばかり集めている僕の保有レンズシステムの中では重い部類に入る。とはいえ描写を考えれば十分に軽量だし、SIGMA fpとの組み合わせでも1kgと少しなので個人的には許容範囲だ。
焦点距離85mmで開放絞りがF1.4という現代技術の最高峰とも言える仲望遠レンズを手に入れた。家族写真にスナップと存分に活躍してもらいたい。
こうやって並べられるくらいキーボードを買い漁るようになるなんて思ってませんでした。
自作キーボードErgo42 towel
最終的にたどり着いた自作キーボード。何もかもが自分の思い通りになって最高です。あなたが今使っているキーボードで、押したことのないキーが一つでもあるなら自作キーボードを検討するべき!
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タイプライター風のAZIO Retro Classic
こだわりが詰まったキーボードを初めて触ったのがコレ。
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