当ブログでは、大手メーカー勤務の筆者の経験をもとに、レビューしている商品のコストパフォーマンスを5段階評価しています。
筆者としてはコスパが悪いのにあえておすすめしている★2や★1から読んでいただきたい。

カメラ本体

SIGMA fpからSONY α7Cに買い替えた3つの理由

1年ほどSIGMA fpを愛用していた。SIGMA fpは本当にコンパクトでストイックでお気に入りのカメラだった。レンジファインダー用のレンズとのルックスにおける相性も良く、SIGMA fp自体が被写体になる程。

目が覚めるような描写力で吐き出す画も大好きだった。Twitterに作例を上げると時折SIGMAの山木社長がリツイートしてくれるのもうれしかった。

購入当初「SIGMA fp・レビュー|最強のフルサイズスナップシューター」というタイトルの記事を書いた。最強と称しているが、その気持ちに今も変わりはない。

なのになぜ僕はSIGMA fpを手放してしまったのか、この記事で話していこうと思う。

SIGMA fpに対する不満

SIGMA fp

耐えられず買い替えるほどではないものの、SIGMA fpにも不満があった。いくつかは過去のレビュー記事でも書いているが、主な不満は以下の2つだ。

  1. シャッター幕速が遅い
  2. 動画のAFが心許ない

ボディ内手ぶれ補正とかスマホ連携とかは、あればそれはそれで便利だけれど、なくて困ることはなかった。それぞれの不満点を深掘りする。

シャッター幕速が遅い

メカシャッターを搭載していないSIGMA fpにシャッター幕速という表現が正しいのかはわからないが、要は電子シャッターのため読み出しの分の時間がかかってしまうことに問題がある。

実際にどのくらい遅いのか考えてみる。シャッター幕速はスペックシートには載っていないが、ストロボの同調速度と相関がある。SIGMA fpはJPEGなら1/30、RAWなら1/15秒だ。他のカメラはエントリーモデルでも1/125、ハイアマチュアモデルだと1/250が一般的だということを考えれば、SIGMA fpの幕速がいかに遅いかがわかる。

シャッター幕速が遅くて困ることを下記に示す。

  • ストロボが使いづらい(日中シンクロはほぼ不可能)
  • ローリング歪みが大きくなる
  • フリッカー(画像内に明暗の縞ができる現象)が乗りやすい

この中でもっとも困るのがフリッカーだ。家族と出かけた時に写真を撮ることも多いので、屋内のことも多い。シャッター速度を1/100よりも早くするとフリッカーが気になるようになるが、それより遅くすると今度は被写体ブレが気になる。本当にギリギリのバランスだ。

人工光の下でも1/250くらいのシャッターを切りたいことは、実はしばしばあったので困っていた。せっかく高感度耐性もあるのに。

グローバルシャッターさえあれば完璧なのに・・・。

この辺の話は「SIGMA fpで一番困るのは電子シャッターしかないという点だ」というド直球なタイトルの記事を書いているので読んでほしい。

動画のAFが心許ない

SIGMAのAFが弱いのは周知の事実だろう。しかし静止画のAF-Sには非常に満足している。速度も精度も十分だ。

一方でAF-Cは正直言って使い物にならない。見失うとMFしたくなるほどに戻ってこないし、動画だとさらにひどい。動画はAFを外している間も記録され続けるし、動画の記録でCPUに負荷がかかるのかAF-Cの速度も遅くなる気がする。

子供も1歳半になり、かなりの勢いで走り回るので段々と耐えられなくなってきた。

SIGMA fpの将来性に感じた不一致

上記は購入時から分かっていたが、SIGMA fpは冒頭で書いた通り、それを上回るほどに素晴らしいカメラだったため愛用し続けてきた。そしてSIGMA fpの次世代機ではこれらがどれほど改善されるのか、というのも楽しみにしていた。

しかし待望であったはずの次世代機(兄弟機?)SIGMA fpLの発表でSIGMAの考える未来と僕の希望する未来が交差していないことを悟った。

SIGMA fpLはシャッター幕速がさらに遅くなった

今更メカシャッターを搭載するスペースがSIGMA fpにはないことは百も承知だ。なのでセンサーの進化で読み出しが高速化することを期待していたのだが、あろうことかセンサーの読み出し速度(≒シャッター幕速)はさらに遅くなった。 高画素化しているのだから仕方のない、といえばそうなのだけれど・・・。

SIGMAの中では「なんとか読み出し速度は維持」という検討はされなかったのだろうか。やはりあくまで「最優先は画質」と思えばSIGMAらしいとも言えるが。

像面位相差でもさして変わらないAF

SIGMA fpはコントラストAFのみだったが、SIGMA fpLでは像面位相差AFにも対応した。コントラストAFと像面位相差AFの違いは簡単にいうと以下の通り。

  • コントラストAF:フォーカスを行ったり来たりしながら画像がはっきりするところを探す
  • 像面位相差AF:測距用の画素を設けて距離を計算し、フォーカスを合わせる

という感じで、像面位相差AFでは撮影に使えない画素ができてしまう代わりにAFがより速い、と思ってもらえれば良い。多くのミラーレス一眼は像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせている。SIGMA fpLは高画素化したので、数画素は潰して像面位相差にしてもいいか、という判断だと思う。

「これでSIGMAも爆速AFか」なんて思っていたら、そうは問屋が卸さなかった。

SIGMA fpLのレビューを見ていると、さしてAFが高速化したようには感じないのだ。動画でも同じ。これには正直なところ落胆した。まだワンオペでSIGMA機で動画撮影は難しいと感じた。

これはファームアップで改善するかもしれないけれど・・・

外付けEVFも期待はずれ

上の画像はEVFではなく、ホットシューユニット

SIGMA fpLと同時に外付けEVFも発売された。確かにSIGMA fpを使っているとEVFを覗きたいと思う場面もあった。しかし僕が望んでいたのは、より安く、より小さく、より補助的なEVFだった。実際に発表されたのは

  • SIGMA fpのミニマルさをスポイルする大きさで、横にも上にも出っ張る
  • 近接センサーでの背面モニターとの自動切り替えができない
  • 流石の高画質だが高価

うーん、僕のようなライトユーザーには響かなかった。製品自体が悪いわけではないので、愛用している人や購入した人を否定する意図はない。

SONY α7Cの存在

SONY α7C

これまではSIGMA fpに不満はあるものの、使いこなしでなんとかなるし、買い換えるほどではなかった。正確には買い替え先が存在しなかったのだ。

SIGMA fpの次に軽いフルサイズミラーレスはCanon EOS RPになる。EOS RP、ダメなところはないんだけれどいいところもない・・・みたいな。オールドレンズ使うならEOS Rより周辺の色被りしづらくていいみたいだけれど。

そんな折に登場したのがSONY α7C。正直なところSIGMA fpに無いものを全て持っている。メカシャッター、ボディ内手ぶれ補正、スマホ連携・・・。レンジファインダー風の位置のEVFもオールドレンズ使うにはいい感じ。

α7C発売時には(SIGMA fpLも発表されていなかったので)SIGMA fpを使い続けるつもりで、α7Cのことを考えないようにしていた。しかしSIGMA fpLの発表でSIGMAとの方向性の不一致を感じた僕はSONY α7Cのことを考えずにはいられなかった。

一度レンズを全て手放しているEマウントに戻るのは面白みがない、とすら思っていた。しかし僕の用途にぴったりなのはSONY Eマウントだったようだ。そんなわけで、僕はSIGMA fpからSONY α7Cに買い替えることにした。

今日のぐうの音

実はオールドレンズをAF化するLM-EA7の存在も大きかった。子供を撮影するとなると、片手での撮影を強いられたり、妻に撮影を頼んだりする場面が増えたからだ。

SONY α7CとLM-EA7の詳しいレビューは追って公開するので、もうしばらくお待ちください。

理系男子のぐうの音管理人愛用のカメラ

SIGMA fp

 
 
 
 
 
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少し前からこれで撮った写真あげてますが・・・SIGMA fp買いました! 写真モチベーションが高まったのでいい写真たくさん撮るっ #sigma #sigmafp #シグマ #XPro2

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SONY α7 II

 
 
 
 
 
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【愛用品紹介 SONY #α7ii 】 手の届きやすいフルサイズミラーレス。どうしてもAFは最新モデルに劣る。特に瞳AFはほぼ使い物にならない。 しかし、ボディ内手ぶれ補正は強力に効くのでオールドレンズの母艦にはぴったりだ。 ISO1600までなら積極的に使えるところは流石フルサイズ。 ボディは小型軽量だがフルサイズのイメージサークルをカバーするレンズは大きくなってしまいバランスは悪い。物理的に仕方のないことなので諦めよう。 #photooftheday #ミラーレス #instagood #instadiary #instalike #instamood #instajapan #sony #BeAlpha #sonyalpha #sonyphotography #sonyimages #sonyalphasclub #sonya7ii

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大企業会社員 兼 ブロガー
るびこ

ガジェット / ファッション / カメラについて書きます。
2014年東北大学理学部卒業
2016年東北大学大学院理学研究科修了、大手企業に新卒で入社

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