2018年の終わりにX-Pro2を買いました。この記事を書いているのが2019年の9月なので、8ヶ月以上じっくり使ってみてのレビュー記事になります。
フルサイズミラーレスであるα7 IIからの乗り換えですが、結論から言うと大満足です。
この記事では
- X-Pro2の魅力
- フルサイズからの乗り換えで画質に不満はあるか
- 作例
などをご紹介します。2019年9月現在X-Pro3の噂もあり、X-Pro2の値崩れも期待できます。気になっている方は最後まで読んでみてください。
理系男子によるコスパ算出
大手メーカー勤務の筆者が、その経験をもとに製品の本当のコストパフォーマンスを評価するコーナー
価格の手頃感 | |
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生活への影響度 | |
長く使えるか | |
スペックに現れない価値 | |
所有する高揚感 |
総合コスパ:
細かいことは考えず、見た目が気に入れば買って損なし。
>同じコスパ評価の製品一覧
「価格の手頃感」、「生活への影響度」が高ければ高いほどコスパも高くなり、逆に「スペックに現れない価値」が高くなるとコスパは低くなります。なお「所有する高揚感」はコスパ算出の対象外。
被写体にもなるカメラX-Pro2
こんなに被写体力の強い日本製のデジタルカメラって他に無いと思うのよね。
一言でいうとレトロ。レンジファインダー(素通しののぞき穴)が特徴的です。
サイズ感もフィルム一眼レフくらいでちょうどいい感じ。FUJIFILMがデジタルはAPS-Cがベストバランスと言っているのもうなずけます。
X-Pro2はAPS-Cミラーレスの中では大柄ではありますが。
見た目だけで買っても十分満足できるカメラです!
ファインダーの出っ張りがない分コンパクト!
カメラの重さだけではわからない「かさばり具合」。
X-Pro2は軍艦部にファインダーがなく、平たいんですよ。カバンに入れて持ち運ぶ上で、これが案外いい!
カバンの中でかさばらないし、引っ掛かりもないので出し入れもしやすいです。使ってみて初めて気づきましたが、重さだけでなくカメラの形も携行性では重要なポイント。
意外とグリップしやすい
不安だったのが持ちやすさ。指を引っ掛ける部分が心もとない気がしていて。
でもグリップには全く問題ありませんでした。カメラを掴むのではなく、カメラに指を引っ掛けて落ちないようにする感じ。これが案外、安定するんです。
500g未満の軽い単焦点しか使っていないから、というのも原因の一つではありますが。
X-Pro2はOVFとAFが使える世界で唯一のミラーレス
僕が初めて購入したレンズ交換式カメラはSONY α7 II。ミラーレスからカメラに入っています。そんな僕が強い憧れを抱くのはやはりOVF。
EVFは撮影結果がプレビューされて初心者にはとっても便利。WBや露出、ピント位置がファインダー上では分からないOVFの方が撮影時の楽しさなら上。撮影後にプレビューして、あるいはPCに写真を取り込んで一喜一憂するわけです。
ミラーレスでありながらその楽しさを味わえるX-Pro2にたどり着くのは必然でした。M型ライカという選択肢もありますが・・・
レンジファインタースタイルのOVFに慣れるのは正直大変だった
ファインダー内に三分割法のグリッドを表示していますが、それに関係なくブライトフレームで切り取られるので役に立ちません。
パララックス(視差:近い位置にピントを合わせるとブライトフレームがずれる)が生じます。近距離撮影ではAFのポイントもずれるし、構図はもう一度合わせないといけないし、もう大変。
今でこそ気にならなくなりましたが、EVFのぬるま湯に浸かりきった僕にとって、カメラへの理解の浅さを思い知った経験でした。
その不便さを楽しめる人のためのカメラ
EVFは便利、X-Pro2のファインダーは不便です。その不便さも楽しいと思える人にとっては最高のカメラです。
店頭で触ってみて、X-Pro2のファインダーの魅力を知ってほしいですね。
どうしても失敗できない場面ではEVFに切り替えることもできるので、安心してください。
- 失敗できないとき、作品を撮影したいとき → EVF
- 撮影する行為自体を楽しみたいとき → OVF
みたいな感じで僕は切り替えて使っています。
フルサイズからの移行だけれど画質には不満なし!
気になる画質ですが、結論から言うと全く不満はありません。
ボケ量は当然フルサイズに軍配があがるけれど・・・
センサーサイズが大きければ大きいほど同じ画角(≠焦点距離)では被写界深度が薄くなります。ボケが大きくなるということ。ボケが大きければいい写真というわけでもありませんが、大きなボケが得られた方が表現の幅が広がるのは事実。
とろっとろのボケを捨ててでもシステムとしての小型化を僕は選びました。
ノイズはむしろ気にならなくなった
センサーサイズが小さくなって、まず不安を覚えるのが高感度のノイズ。しかし富士フイルムのカメラの前評判である
他社に比べてノイズの出方がキレイ
という意見を随所で目にしていたので、あまり不安はありませんでした。
実際に使ってみると、まさにそのとおり。他社のカメラでは塗り絵のようになってしまう高感度も、富士フイルムならまるでフィルムのような粒状感という形でノイズが乗ってくるのです。
この辺りは個人の好みなのでなんとも言えませんが、僕ならISO 3,200なら躊躇なく使えます。
実は逆に低感度に不安がありました。なぜなら当時の富士フイルムのAPS-Cは最低感度が200だったからです。
結局はそれも杞憂に終わりました。電子シャッターが1/80,000まで対応しているので晴天でもガンガン絞り開放使えるんです。
ダイナミックレンジなど、あらゆる面でフルサイズの方が画質面で優位なのはもちろんその通りです。システムやレンズも大きくなってしまうことを考えると、僕にはAPS-Cの方が適していると思うようになりました。
解像感が高い気がする
α7 IIのときはズームレンズやオールドレンズを使っていたのに対し、X-Pro2では純正単焦点レンズばかり使っているのでそう感じるのもあるかもしれません。
んー、でもそれを差し引いても、キリッとした画が撮れる気がするんだよなあ。
その解像感の高さはきっと「X-Trans III」とローパスフィルターレスのおかげだと思います。
センサーの構造の話をするとややこしいので、簡単に言うとFUJIFILM独自のイメージセンサー構造が画質面で有利ってわけです。その分、カメラ内での処理が煩雑になるけれど。
フィルムシュミレーションが楽しい
他のカメラなら「撮影 → 帰宅&現像」までやってやっと満足です。
でもX-Pro2はフィルムシュミレーションというJPEGの仕上がり設定があって、なかなか優秀なんです。
撮影してその場で「こういう色になるか」と楽しめる。そして背面液晶がキレイで実にいい写真に見えるんですよね。撮ったその場で大満足。
帰宅してからRAW現像して、更に満足。1粒で2度美味しい。
X-Pro2の作例
カメラの作例としてはふさわしくありませんが、Lightroomで現像しています。
▲ギラギラの写真だったり
▼ゆるふわな写真だったり
▼モノクロは得意なFUJIFILM
今日のぐうの音:X-Pro2は「撮影が楽しい!」
いろいろお話してきましたが、一番感じるのが「撮影が楽しい!」ということ。
- 背面液晶がキレイで撮っててテンション上がる(← 大事!)
- フィルムシュミレーションでその日の気分を仕上がりに反映できる
- OVFで試行錯誤しながら撮るのがおもしろい
「いい写真が撮れること」ももちろん大切なことですが、もしいい写真が撮れなくても撮影自体が楽しいと思える、そんなカメラだと思いました。
[…] SONY α7IIからの買替えです。「富士フイルムX-Pro2レビュー!不便さを楽しめる大人のためのミラーレス」という記事でレビューしています。 […]
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